社会人基礎力における3つの柱となる力、考え抜く力について説明します。読者対象は、考え抜く力について詳しく知りたい方です。どのような能力であるか、3つの構成要素について分かりやすく解説しています。
なぜ社会人基礎力の、考え抜く力が重要なのか?
厳しい社会を生き抜く力として、社会人基礎力が提唱されています。それは大きく3つの柱で構成されており、そのうちの一つが考え抜く力です。これは、「疑問を持ち、考え抜く力。」と定義されています。
つまり、考え抜く力とは課題に対して論理的に考え、解決方法を導き出すものだといえます。なお、決まった答えを導き出すだけでなく、自ら課題を見つけて解決策を考える『自律的な思考力』の獲得を目指しています。
常に新しい課題と向き合わなくてはいけない仕事や職場はもちろんのこと、ルーティンワークであっても改善点を見つけ効率を高めるうえで、非常に重要な力だといえるでしょう。
そこで、具体的にどのような能力が必要になるのか見ていきましょう。
考え抜く力の、超重要3要素をご紹介!
社会人基礎力の考え抜く力は、『課題発見力』『計画力』『創造力』の3要素で構成されていますので、この3つについてポイントをご紹介します。
課題発見力
ここでいう課題発見力とは、今まで気づけなかった仕事上の問題を発見することを指します。問題があることを分かっていながら、見て見ぬふりをするのは論外ですが、誰も気づけなかった問題を発見できれば、意義が大きいでしょう。
製品であれば改良点を見つけなくてはいけないし、サービスなら改善点を発見しなくてはいけません。製造工程の無駄を見直せるかもしれないし、今までやっていなかったサービスを増やせるかもしれないですから。
このように、一見すると問題がないと思えるものでも、隠れた問題に気づくことが課題発見力といえるでしょう。
参考 社会人基礎力の課題発見力について、こちらで詳しく説明しています。
計画力
ここでいう計画力は大きく二つあります。
一つは、期限までに終えられるように計画することです。仕事は必ず期限があるので、課題を確実に解決しつつも、決められた日までに終える必要があります。つまり、仕事の質を落とすことなく短期間で完了できるように計画を立てる力が、計画力といえるでしょう。
もう一つは、課題を解決するための手順や方法を複数発見または考えて、より最適なものを選ぶというものです。これができれば、複数の方法があった場合に比較検討して、より良い方法を見つけることができます。
また、選んだ方法が何らかの理由で使えなくなった場合でも、選ばなかった方法で解決できるかもしれません。このように、予備という意味でも、複数の解決方法を用意する必要があるわけです。しっかり計画すれば不測の事態にも対応できるのが、計画力だといえます。
参考 社会人基礎力の計画力について、こちらで詳しく説明しています。
創造力
ここでいう創造力とは、今までになかった価値を生み出して、商品の価値を高めることを指します。一見すると、無から有を作り出す力のように感じるかもしれませんが、「すでにある商品の新しい魅力を見つけ出す力」と考えたほうが良いでしょう。
したがって、いわゆる「アイディア」ではあるものの、まったく何もないところから価値を生み出すわけではありません。つまり、発明とは違うということです。創造力とは、すでにある製品やサービスに、別の価値を付加することだと考えてください。
参考 社会人基礎力の創造力について、こちらで詳しく説明しています。
上記3つの力はどのように関係するのか?
考え抜く力において、『課題発見力』『計画力』『創造力』の3つの力はどのように関係するのでしょうか? それぞれの関係性について見ていきましょう。
仕事は何らかの困りごとや問題点を見つけることから始まりますので、『課題発見力』がきわめて重要になります。そして、それをどのような手順とスケジュールで解決するのか決めるためには、『計画力』が必要になります。
また、計画を実現するためには具体的な方法も検討しなくてはいけませんので、『創造力』も必要です。こういった、課題を発見して解決策を模索する行為が、考え抜く力なんですね。
このように、3つの力がうまく連携することで、考え抜く力が発揮されるわけです。
考え抜く力を伸ばすには?
では、考え抜く力を伸ばすには何をすべきなのでしょうか? まずすべきことは、「課題の発見が重要である」ということの理解です。なぜなら、仕事とは発見した課題を解決することだからです。逆に言えば、課題が無ければ仕事になりません。
そのような事実から考え抜く力の重要性が分かったところで、ここまでご紹介した3つの力を伸ばすよう努力する必要があります。先に考え抜く力の重要性を理解していないと、各能力要素を伸ばす意味が分からなくなってしまうからです。
これら3つの力が伸びれば、おのずと考え抜く力も伸びてくるでしょう。
まとめ
ここまで、考え抜く力について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
考え抜く力は、社会人基礎力3つの柱の一角で、『課題発見力』『計画力』『創造力』の3つの要素で構成されていました。総じて考え抜く力は、課題を見抜き解決する能力として定義しているといえます。
つまり、「見落とすことなく気づく」敏感で鋭い感覚を持つことが、求められているのではないでしょうか。仕事とは、課題を見つけて改善することだといえますので、社会人に強く求められる能力であることは間違いありません。
もちろん、『考え抜く力』だけでは社会人として不十分ですので、『チームで働く力』や『前に踏み出す力』も重要であることを忘れないでください。
以上、社会人基礎力の考え抜く力について説明しました。